シューベルト 鱒, D. 550

1817年にフランツ・シューベルトが作曲したドイツ・リートの1つ。
シューベルトのピアノ伴奏独唱曲としては、きわめて人気の高い楽曲の1つ。3節からなるシュトローフェンリート(Strophenlied)であるが、第3節がシューベルトおなじみの技法によって大幅な変化を付けられている。
クリスティアン・フリードリヒ・ダニエル・シューバルトの歌詞に曲付けされており、歌詞はずる賢い漁師が罠を使って魚を吊り上げるさまを歌ったもの。しかし実際には、「男はこのようにして女をたぶらかすものだから、若いお嬢さんは気をつけなさい」という意味の寓意となっている。
日本では電話機の保留音にも使われている。


【MP3】
ソプラノ : エリザベート・シューマン / 1945年


【楽譜】
IMSLP-Die Forelle, D.550 (Schubert, Franz)


【動画】


シューベルト 糸を紡ぐグレートヒェン, D. 118

1814年に作曲されたシューベルトのリート。詩はゲーテの「ファウスト 第一部」を出典とする。
グレートヒェンは紡ぎ車を回しつつ、ファウストとその口車を思い浮かべて口ずさんでいる。ピアノ伴奏の反復リズムは、歌詞に応じて紡ぎ車が速まったり遅くなったりするさまや、グレートヒェンの気も狂わんばかりの昂奮を描写し、恋する娘の動揺や、悪魔の誘惑を効果的に暗示している。グレートヒェンの台詞がそのまま歌詞とされているので、明らかに女声のための歌曲であり、上記のような特色から、ソプラノとピアニストにとって意欲を求められるレパートリーとなっている。


【MP3】
ソプラノ : エリザベート・シューマン / 1936年


【楽譜】
IMSLP-Gretchen am Spinnrade, D.118 (Op.2) (Schubert, Franz)


【動画】


シューベルト 弦楽四重奏曲第10番変ホ長調, D. 87

この弦楽四重奏曲はどのような経緯で作曲されたのかは不明である。
初期の作品だけに、シューベルトの個性が強く出ているわけではないが、既に伸び伸びとした楽想をおいている。


【MP3】
ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団 / 1953年


【楽譜】
IMSLP-String Quartet No.10, D.87 (Schubert, Franz)


【動画】


シューベルト 弦楽四重奏曲第8番変ロ長調, D. 112 , Op. 168

シューベルトにしてはかなり速いスピードで作曲したが、安易で書かれた作品ではなく、弦楽四重奏曲の方面での新しく意欲的な姿勢を見せたものとして注目される。
シューベルトは弦楽四重奏曲第8番において室内楽的な性格をより明快に打ち出しており、シューベルト的な面を置くようにしていることがうかがえる。


【MP3】
ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団 / 1951年



【楽譜】
IMSLP-String Quartet No.8, D.112 (Schubert, Franz)


【動画】


シューベルト 弦楽四重奏曲第7番ニ長調, D. 94

前作の第6番より進歩した筆致を見せている。
和声法や主題の処理にはそうしたことが認められているものの、構成のバランスでは未熟なところが露呈している。
第1楽章は他の楽章と比べてかなり長大であり、結尾においても充実を図ろうとしているが、結局は長大さに負けていることが窺える。


【MP3】
ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団 / 1951年


【楽譜】
IMSLP-String Quartet No.7, D.94 (Schubert, Franz)


【動画】

シューベルト 弦楽四重奏曲第6番ニ長調, D. 74

前作の第5番でベートーヴェンへの傾斜を見せたシューベルトは、第6番ではモーツァルトの方に接近している。
第1楽章はオペラ「魔笛」の序曲の終結部分を参考にしており、第4楽章は交響曲第31番「パリ」と関連している。
しかし、第1楽章が他の3つの楽章に比べて長大であり、楽章のバランスという点では、配慮が行き届いているとはいえない。


【MP3】
ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団 / 1953年


【楽譜】
IMSLP-String Quartet No.6, D.74 (Schubert, Franz)


【動画】

シューベルト 弦楽四重奏曲第5番変ロ長調, D. 68

第5番は唯一2つの楽章のみで構成されており、明らかに中間の楽章を欠いた形となっている。
これはシューベルト自身が2つの楽章だけで十分と考えた、中間の楽章は紛失した、シューベルトが未完成のまま残したという説が挙げられているが、そのあたりの正確な事情は不明である。
前作第4番とかなり似通った書法で書かれ、半音階的な書法なとが目立っている。
しかし第5番は動機の活用、リズムの変化、規模の大きなまとめあげ方といった点で、第4番より進歩した面を持っている。また4つの声部のバランスの点も同じである。


【MP3】
ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団 / 1952年


【楽譜】
IMSLP-String Quartet No.5, D.68 (Schubert, Franz)


【動画】

シューベルト 弦楽四重奏曲第4番ハ長調, D. 46

作曲の動機については不明であるが、1813年の5月3日に作曲が始められ、6日には第2楽章を書き上げ、7日にはほぼ全体が完成された。
1813年当時のシューベルトは、この分野で飛躍的な発展を示しており、ソナタ形式をはじめとする他の形式の確立や構成の堅実さの点で大きな進歩を見せている。
なお、シューベルトは1813年に入って間もなく変ホ長調の弦楽四重奏曲(D40)を作曲しているが、楽譜が紛失しており、またその作品自体が偽作であるという説が挙げられている。この紛失したD40と第4番との関係は不明である。


【MP3】
ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団 / 1952年


【楽譜】
IMSLP-String Quartet No.4, D.46 (Schubert, Franz)


【動画】

シューベルト 弦楽四重奏曲第3番変ロ長調, D. 36

前作の第1番と第2番の2曲と比べて大幅な進展を見せており、シューベルトがハイドンの弦楽四重奏曲とベートーヴェンの交響曲を研究した成果があらわれている。
特に第1楽章ではハイドンの弦楽四重奏曲第76番「5度」を手本にしている。
しかし、ハイドンの作品に限定しなくとも、ハイドン的な書法がシューベルトの作品に散見されるのは事実である。
シューベルトはこの弦楽四重奏曲第3番を各楽章間の調性を統一的なものにしているものの、古典派の作品のようにメヌエットを主調に置くことをせず、第2楽章を主調にしている。また第1楽章と第3楽章では、冒頭の主題に同一のリズムを置いている。


【MP3】
ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団 / 1952年


【楽譜】
IMSLP-String Quartet No.3, D.36 (Schubert, Franz)


【動画】


シューベルト 弦楽四重奏曲第2番ハ長調, D. 32

かつては紛失した作品とされていたが、のちに再発見された。
弦楽四重奏曲第1番と比べて音楽の流れの点では著しくなめらかさを増してきてはいるものの、四重奏的な流れの点ではいくらか後退してきているともいえる。
また第1番ではほとんど認められなかった、楽章間を主題の進行で統一しようとする傾向が見られる。それぞれの楽章の調性の関係も第1番よりも緊密である。


【MP3】
ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団 / 1952年


【楽譜】
IMSLP-String Quartet No.2, D.32 (Schubert, Franz)


【動画】


シューベルト 弦楽四重奏曲第1番ハ短調(変ロ長調), D. 18

この弦楽四重奏曲第1番は1812年に作曲され、おそらくコンヴィクトで演奏する目的で書かれたものといわれているが、それと同時に、シューベルトの家庭では室内楽を演奏する習慣があり、第1番を含む初期の弦楽四重奏曲は、むしろこの目的で書かれたものらしい。
そこではシューベルトの父がチェロを担当し、シューベルトはヴィオラを担当していた。父はしばしば音を外したりもしたが、それをいち早く気付いたシューベルトは遠慮がちに注意したという逸話が残されている。


【MP3】
ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団 / 1952年


【楽譜】
弦楽四重奏曲第1番, D. 18.pdf
IMSLP-String Quartet No.1, D.18 (Schubert, Franz)


【動画】


シューベルト 夕映えに, D. 799

フランツ・シューベルトが1824年頃に作曲した歌曲。カール・ゴットリープ・ラッペの詩による。時に「夕映えの中で」とも訳される。
窓から見える夕映えに、父(神)の恵み、この美しい世界を作った神への畏敬の念を感じ、それを極めて美しく、内面的な静謐さをもって歌いあげている。シューベルトの傑作の一つで、ラッペによる歌曲の中では最も感動的で最も美しい作品といわれている。


【MP3】
ソプラノ:エリザベート・シューマン / 1927年


【楽譜】
IMSLP-Im Abendrot, D.799 (Schubert, Franz)


【動画】


シューベルト 冬の旅, D. 911, Op. 89

フランツ・シューベルトが1827年に作曲した連作歌曲集である。
ドイツの詩人ヴィルヘルム・ミュラーの詩集による。2部に分かれた24の歌曲からなる。
全曲を通して「疎外感」、「絶望と悲しみ」、「決して得られないもの、もう失われてしまったものへの憧れ」に満ちており、唯一の慰めである「死」を求めながらも旅を続ける若者の姿は現代を生きる人々にとっても強く訴えかけるものがあるとされ、一般に彼の3大歌曲集とされる当作品及び「美しき水車小屋の娘」、「白鳥の歌」の中でも、ひときわ人気が高い。

第1部 Erste Abteilung
1. おやすみ Gute Nacht
2. 風見の旗 Die Wetterfahne
3. 凍った涙 Gefrorne Tränen
4. 氷結 Erstarrung
5. 菩提樹 Der Lindenbaum
6. 溢れる涙 Wasserflut
7. 川の上で Auf dem Flusse
8. 回想 Rückblick
9. 鬼火 Irrlicht
10. 休息 Rast
11. 春の夢 Frühlingstraum
12. 孤独 Einsamkeit
第2部 Zweite Abteilung
13. 郵便馬車 Die Post
14. 霜おく頭 Der greise Kopf
15. 烏 Die Krähe
16. 最後の希望 Letzte Hoffnung
17. 村にて Im Dorfe
18. 嵐の朝 Der stürmische Morgen
19. まぼろし Täuschung
20. 道しるべ Der Wegweiser
21. 宿屋 Das Wirtshaus
22. 勇気 Mut
23. 三つの太陽 Die Nebensonnen
24. 辻音楽師 Der Leiermann


【MP3】
バリトン:ハンス・ホッター / 1942年


【楽譜】
IMALP-Winterreise, D.911 (Op.89) (Schubert, Franz)


【動画】


シューベルト ロザムンデ, Op. 26 D797

「キプロスの女王ロザムンデ」のために作曲した10曲からなる劇付随音楽である。「ロザムンデ」と略される。
「ロザムンデ」の台本は散逸してしまい、現在は音楽だけが残っている。
しかしシューベルトの音楽は、初演当時から好評をもって迎えられたのは事実であり、現在でも部分的にはたびたび演奏されている。


【MP3】
指揮:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 / 1930年


【楽譜】
IMSLP-Rosamunde, D.797 (Schubert, Franz)


【動画】


シューベルト ピアノ三重奏曲第1番変ロ長調, D. 898

シューベルトの死後に出版されたため、「遺作」とされている。
第1番は1827年に作曲され、作曲された当時は歌曲集「冬の旅」や3曲のピアノソナタ(第19番、第20番、第21番)が生み出された時期でもあった。


【MP3】
100万ドル・トリオ / 1941年


【楽譜】
ピアノ三重奏曲第1番変ロ長調, D. 898.pdf
IMSLP-Piano Trio in B-flat major, D.898 (Op.99) (Schubert, Franz)


【動画】


シューベルト ピアノソナタ第20番イ長調, D. 959

シューベルト最晩年のピアノソナタ3部作のひとつである。
19番が暗い情熱、21番が静寂な歌謡風の曲想であるのに対して、本作は暖かで明朗な響きを特徴としている。本作は初期のイ短調ソナタの楽章を引用するなど創意も多く、特に終楽章は平明である。


【MP3】
ピアノ:アルトゥル・シュナーベル / 1937年


【楽譜】
ピアノソナタ第20番イ長調, D. 959.pdf
IMSLP-Piano Sonata, D.959 (Schubert, Franz)


【動画】


シューベルト ピアノソナタ第17番ニ長調, D. 850

全体的に長大な作品で、次の18番・19番・20番・21番と連なる大作の一群に入る。
通常ロ長調を中心とするピアノ曲調性ではニ長調は近親調ではない。弦楽四重奏曲に編曲される期待があったものと示唆されている。


【MP3】
ピアノ:アルトゥル・シュナーベル / 1939年


【楽譜】
ピアノソナタ第17番ニ長調, D. 850.pdf
IMSLP-Piano Sonata, D.850 (Schubert, Franz)


【動画】


シューベルト アヴェ・マリア, D. 839(エレンの歌第3番)

シューベルトの最晩年の歌曲の一つ。
伸びやかで息の長い旋律ゆえに、シューベルトの歌曲の中では最も人気の高い一つである。
この歌曲は、しばしばシューベルトのアヴェ・マリアと呼ばれている。しかしながら元々この曲は、ウォルター・スコットの名高い叙事詩「湖上の美人(湖上の麗人) "The Lady of the Lake" 」の、アダム・シュトルクによるドイツ語訳に曲付けされたものである。


【MP3】
ピアノ:エマニュエル・ベイ / ヴァイオリン:ヤッシャ・ハイフェッツ / 1946年


【楽譜】
アヴェ・マリア, D. 839.pdf
IMSLP-Ave Maria, D.839 (Schubert, Franz) ピアノ・ヴァイオリン版など


【動画】