シューベルト 弦楽四重奏曲第8番変ロ長調, D. 112 , Op. 168

シューベルトにしてはかなり速いスピードで作曲したが、安易で書かれた作品ではなく、弦楽四重奏曲の方面での新しく意欲的な姿勢を見せたものとして注目される。
シューベルトは弦楽四重奏曲第8番において室内楽的な性格をより明快に打ち出しており、シューベルト的な面を置くようにしていることがうかがえる。


【MP3】
ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団 / 1951年



【楽譜】
IMSLP-String Quartet No.8, D.112 (Schubert, Franz)


【動画】


シューベルト 弦楽四重奏曲第7番ニ長調, D. 94

前作の第6番より進歩した筆致を見せている。
和声法や主題の処理にはそうしたことが認められているものの、構成のバランスでは未熟なところが露呈している。
第1楽章は他の楽章と比べてかなり長大であり、結尾においても充実を図ろうとしているが、結局は長大さに負けていることが窺える。


【MP3】
ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団 / 1951年


【楽譜】
IMSLP-String Quartet No.7, D.94 (Schubert, Franz)


【動画】

シューベルト 弦楽四重奏曲第6番ニ長調, D. 74

前作の第5番でベートーヴェンへの傾斜を見せたシューベルトは、第6番ではモーツァルトの方に接近している。
第1楽章はオペラ「魔笛」の序曲の終結部分を参考にしており、第4楽章は交響曲第31番「パリ」と関連している。
しかし、第1楽章が他の3つの楽章に比べて長大であり、楽章のバランスという点では、配慮が行き届いているとはいえない。


【MP3】
ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団 / 1953年


【楽譜】
IMSLP-String Quartet No.6, D.74 (Schubert, Franz)


【動画】

シューベルト 弦楽四重奏曲第5番変ロ長調, D. 68

第5番は唯一2つの楽章のみで構成されており、明らかに中間の楽章を欠いた形となっている。
これはシューベルト自身が2つの楽章だけで十分と考えた、中間の楽章は紛失した、シューベルトが未完成のまま残したという説が挙げられているが、そのあたりの正確な事情は不明である。
前作第4番とかなり似通った書法で書かれ、半音階的な書法なとが目立っている。
しかし第5番は動機の活用、リズムの変化、規模の大きなまとめあげ方といった点で、第4番より進歩した面を持っている。また4つの声部のバランスの点も同じである。


【MP3】
ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団 / 1952年


【楽譜】
IMSLP-String Quartet No.5, D.68 (Schubert, Franz)


【動画】

シューベルト 弦楽四重奏曲第4番ハ長調, D. 46

作曲の動機については不明であるが、1813年の5月3日に作曲が始められ、6日には第2楽章を書き上げ、7日にはほぼ全体が完成された。
1813年当時のシューベルトは、この分野で飛躍的な発展を示しており、ソナタ形式をはじめとする他の形式の確立や構成の堅実さの点で大きな進歩を見せている。
なお、シューベルトは1813年に入って間もなく変ホ長調の弦楽四重奏曲(D40)を作曲しているが、楽譜が紛失しており、またその作品自体が偽作であるという説が挙げられている。この紛失したD40と第4番との関係は不明である。


【MP3】
ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団 / 1952年


【楽譜】
IMSLP-String Quartet No.4, D.46 (Schubert, Franz)


【動画】

シューベルト 弦楽四重奏曲第3番変ロ長調, D. 36

前作の第1番と第2番の2曲と比べて大幅な進展を見せており、シューベルトがハイドンの弦楽四重奏曲とベートーヴェンの交響曲を研究した成果があらわれている。
特に第1楽章ではハイドンの弦楽四重奏曲第76番「5度」を手本にしている。
しかし、ハイドンの作品に限定しなくとも、ハイドン的な書法がシューベルトの作品に散見されるのは事実である。
シューベルトはこの弦楽四重奏曲第3番を各楽章間の調性を統一的なものにしているものの、古典派の作品のようにメヌエットを主調に置くことをせず、第2楽章を主調にしている。また第1楽章と第3楽章では、冒頭の主題に同一のリズムを置いている。


【MP3】
ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団 / 1952年


【楽譜】
IMSLP-String Quartet No.3, D.36 (Schubert, Franz)


【動画】